1822年に書き始められたこの交響曲は、1823年1月21日に完成しています。
編成はベートーヴェンの幾つかの交響曲のような野心的なものではなく、金管楽器はホルンとトランペットが2本づつ。木管もフルート, オーボエ, A管クラリネット, ファゴット各2 となっています。この他に弦楽器群とティンパニ。
快活な第1楽章冒頭がモーツァルト風である一方、緩徐楽章に当たる第2楽章冒頭はホルンのオクターヴによるファンファーレによって始まります。この印象的な楽句は最早古典派の書法とも言い難く、シューベルトの更に先、後のシューマンやブラームスの音楽の登場を強く予感させるものがあります。
音源や文献によっては、この作品の作品番号を 24 としているものがあります。これは A. Fuchs が書いたヴォジーシェクの最初の評伝に誤って 24 と記された作品番号に由来するものと思われます。
- D-Dur Alla breve, Allegro con brio
- h-moll 2/4, Andante
- Scherzo: d-moll 9/8, Allegro ma non troppo
- Finale: D-Dur 2/4, Allegro con brio
楽譜
優れた作品ですが出版機会には恵まれず、1957年に漸く初版(SNKLHU MAB 34)が出版されました。 現在では、EDITIO SUPRAPHON版のスコアが出版されています。(Editio Bärenreiter, Praha) (H2262)