4楽章構成で書かれたソナタ。終楽章は、ポーランドの民族舞曲ポロネーズで書かれている。
第1楽章と第4楽章には共通の主題による序奏部がある。但し、声部の受け持ちを、ヴァイオリンとピアノで入れ替えたり、最後の5小節間では、第1楽章で上行するところを、第4楽章では下行させたりするなど、幾つかの違いが見られる。
この作品の、第3楽章を除いた各楽章の主要なモチーフが、21年後に書かれた《気分・印象、そして追憶》に引用されている。このうちOp.47-145については、日本国内版でも楽譜が出ており、比較的知られていると思われる。尚、これら引用先の3曲は、曲番がバラバラであるにも拘わらず、作曲日付(下表中を参照)を見ると、全てが2日間に集中して書かれている。このことから、何らかの意図の下、このヴァイオリンソナタの楽譜を手許に置いて作曲したとも考えられる。
以下ではその引用個所を整理してみる:
引用先 作品番号・通番・作曲日 |
引用元(本作品) |
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Op.47-49 (No.253) (1896-06-01) | 第1楽章及び第4楽章の序奏部(第1〜18小節) |
Op.47-34 (No.238) (1896-06-02) | 第2楽章のPf.パートのほぼ全部 |
Op.47-145 (No.349) (1896-06-02) | 第4楽章Polonaise部のほぼ全部 |