作品紹介

「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ」Op.27

Sonatina, Op.27

作曲:1869(1877)年
編成:Vn., Pf. 2ms
献呈:Věnováno Janu Paťhovi
初版:
初演:


1869年、18歳のフィビヒはピアニストとしての研鑽を積む為に前年から滞在していたパリでの生活を終え、一旦ボヘミアに戻った。その後間もなくしてマンハイムに赴き、翌年にかけて音楽修行の最後の仕上げをしている。マンハイムではオペラ監督レヒナーの下で学び、ヴァーグナーの楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》に接した。この作品はフィビヒの最も気に入ったオペラ5作品の一つでもあった。作家で音楽活動家のカレル・ピッピヒによれば、「フィビヒは確固たるヴァグネリアン」であったという。

《ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ》op.27 は、フィビヒがマンハイムに赴く前の時期にあたる同年 5月31日に、ボヘミアのジャーキ村で書き上げられた。同年9月7日 の音楽新聞「ダリボル」紙では、この作品を出版する為、音楽出版人 Fr. A. ウルバーネクに渡された旨が報じられている。尚、この作品の作品番号27は、作曲者の作品の出版順を無視した大きな番号が付けられたものである。
この年、フィビヒは42の作品(本作以外は歌曲とピアノ曲)を書いたとされているが、そのうち過半数は楽譜の存否が不詳となっている。

楽曲構成は以下の通り。



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