第一楽章冒頭、弦のトレモロに続いて登場するホルンの楽句は、第1楽章で頻繁に登場するだけでなく、第2楽章終盤にティンパニによって静かに奏でられ、終楽章コーダでは終楽章のやや変形された主題と同時に響くなど、循環主題としてこの交響曲の全体に統一感をもたらす役割を担っている。
緩徐楽章である第2楽章は、フィビヒの交響曲の中でも最も美しい楽章の一つに数えて良いだろう。この楽章の主題も、少し形を変えて第4楽章に登場する。
楽譜の初版は、作曲者自身によるピアノ4手版が1893年に刊行されたが、管弦楽版は作曲者死後の1911年になってからだった。
日本での初演は、寶塚交響楽協会第67回演奏会(1930年8月9日・宝塚大劇場(1))と考えられる。(2)
この時の演奏は、ヨーゼフ・ラスカ指揮/寶塚交響楽団(現在の宝塚歌劇オーケストラ)による。